周辺幻

沖の監視

2018年の本 リコメンド10冊

2018年は、わりと本読みました。数えたら177冊でした。

 

表題の件、ご報告します。

部屋の本棚眺めながら、10冊、思うつくまま並べました。順番は、あってないようなものです。

 

 

1『カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフ家の道化師、フョードルが特に好きです。

彼の饒舌を聞いていると、混乱してくる。笑いを超越した面白さがここにある。時代背景や大審問官が理解できなくたって、関係ない。とにかく最高なんです。

 

 

2『フラニーとズーイ

 洗面台の鏡の前で、ズーイーが母親と会話をするシーンが好きです。

 青年とは、昼夜問わず、誰彼問わず、ひとり何かを演じて踊ってみせるものなんじゃないかな。

 

フラニーとズーイ (新潮文庫)

フラニーとズーイ (新潮文庫)

 

 

3『死刑 その哲学的考察』

 こういった駄文をブログで吐き散らしているということは、少なくとも何かを僕は表明したいんだと思う。自分なりに考えを持ち、意見を深化させたがってる。本書は、そういう夢の一助となる。

 

死刑 その哲学的考察 (ちくま新書)

死刑 その哲学的考察 (ちくま新書)

 

 

4『マイ・ロスト・シティー

「船がハドソン河を上りゆくにつれ、都市は淡い夕闇の中で稲妻となってはじけ、我々の頭上に降り注いだ。白い氷河を思わせるロワァー・ニューヨークが吊り橋のケーブルのように沈み込んで、そして再びアップダウン・ニューヨークへと浮かび上がる。星々に吊るされた奇跡の如き光の泡。」

 

マイ・ロスト・シティー (村上春樹翻訳ライブラリー)

マイ・ロスト・シティー (村上春樹翻訳ライブラリー)

 

 

5『バイ貝』

 ストーリーはほとんどなくて、ギャグの積み重ねで構築されてる。

 でも小説。これぞ小説。くまなくあほらしいけど、さっぱりとした感動が最後の最後に待っている。あほの自覚が僅かでもあるならば、読むといい。自分が賢いと信じているなら、読む必要はない。

 

バイ貝 (双葉文庫)

バイ貝 (双葉文庫)

 

 

6『ぼくたちは習慣で、できている』

 思想に共感するし、すげえ現代的だなって思う。

 勝手にタイトルを変えるとね、「出家イノベーション」もしくは「混沌(カオス)から遠く離れて」

 

ぼくたちは習慣で、できている。

ぼくたちは習慣で、できている。

 

 

7『陰翳礼賛』

 大川裕弘の写真がいいんです。

 子供の頃、わざわざ懐中電灯を持って押入れに入って、「あさりちゃん」を読んだりしたな。薄暗いところへ行きたがるのは、お国柄だから仕方がない。

 

陰翳礼讃

陰翳礼讃

 

 

8『手紙魔まみ、夏の引越し』

 連作短歌集。暴走する淫夢のようなことばに、没入する、立ち眩む。酔っ払う。

 詠もう。

 カクテルのさくらんぼ煮詰めているよ、手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)

 

 

 

9『ファイナルガール』

 短編集。

 知恵と勇気を持って殺人鬼に挑む少年少女らのスピードに恋する、表題作「ファイナルガール」。

 お気に入りは、「大自然」かな。

 なぜか、冷戦状態の姉妹が出てくる小説が好きなんです。

 

ファイナルガール (角川文庫)

ファイナルガール (角川文庫)

 

 

10『バーナード嬢曰く。

 まんが。読書ビギナーズはきっと、はまると思う。

 町田さわ子と神林しおりの、恋物語というよりかは、単純に本への距離感に共感して楽しく読んだ。今も読む。一ヶ月ぐらい、癒しのために枕元へ置いておいた。読書はだるいよね?つくづくそう思う。

 

バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)
 

 

 いま、パスピエの『演出家出演』というアルバムを聴きながら、これを書いていました。平成じきに終わるなあ。今年も、無事に過ごしました。

 私は来年も音楽聴いて、本読んで、仕事します。『青年』という、書きかけの吐露があって三十一歳を迎えるまでに、一つの形にできたらなって思っています。

 でも、青年の期限はもう過ぎたかもしれねえ。

 

 お互い、がんばりましょう。

 風邪など引かれぬよう、お身体ご自愛下さい。