周辺幻

沖の監視

ボーナスの使い道

 他人に本をオススメされても、何故か触手が伸びない。けれども、自分で選ぶ本だけでは限度がある。ここのところ同じような作品を繰り返し眺めているような気がする。本屋に入店し、くらくらっとめまいがする。たくさんの本、本、本。本の山。自分のために書かれた本を、僕は無視し続けてはないだろうか。思わず戸棚を眺める隣の客の目線を追いかけてしまう。どんな本を手に取るのだろう?自分よりもはるかに良いチョイスをしている気がする。だからといって、その客がレジカウンターに持っていった本を買おうとは思わない。自分で買う本は自分で決める。しかし……。

 そんな優柔不断だけれども贅沢で傲慢な人には特にいいと思います。

 

 福島県南相馬の書店「フルハウス」の選書サービスを利用してみました。

 用意された八十の質問に回答すると、作家の柳美里さんが本を選んで送ってくれる。僕は三万円分注文し、今日十冊の本が届きました。

 

 本が届く前は遠足を待つ子供のような気分で楽しかったし、届いた後も楽しかった。NHKの「あさイチ」で取り上げられ、応募が殺到しているみたいで気が引けたけど、頼んでよかった。8640円の写真集を買う決断は、僕一人では到底出来なかったな。

 

●送られてきた本 計十冊

 

「ふたたびの春に」和合亮一

「永在する死と生 柳美里自選作品集第一巻」柳美里

「告白 あるPKO隊員の死・23年目の真実」旗手啓介

「Will I Get Married?」岡村靖幸

「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」ジュノ・ディアス

「憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜」ポリス・シリュルニク

「雨の自然誌 RAIN A Natural and Cultural History」シンシア・バーネット

「仙厓 Sengai ユーモアあふれる禅のこころ」中山喜一郎

「わたし、お月さま」青山七恵・刀根里衣

「BIBLIOTHECA SERIE BIBLIOTHECA 3/3 VIES OF THE BOOKS 本の景色」潮田登久子

 

 

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