周辺幻

沖の監視

スピッツドラフト会議2023(後半)

Special Album『色色衣』
収録曲
01. スターゲイザー
02. ハイファイ・ローファイ(NEW MIX)
03. 稲穂(NEW MIX)
04. 魚
05. ムーンライト
06. メモリー
07. 青春生き残りゲーム(NEW MIX)
08. SUGINAMI MELODY
09. 船乗り
10. 春夏ロケット
11. 孫悟空
12. 大宮サンセット
13. 夢追い虫
14. 僕はジェット (previously unreleased track)

■指名
むる猫BOY→ムーンライト→メモリー
ぴっぴ→ムーンライト
S氏→魚

むる猫(私)とぴっぴ氏、3回目の競合。えんぴつ抽選の結果、ぴっぴ氏が「ムーンライト」を獲得。いい加減にしろ!!!!(泣)
「ムーンライト」が取れなかったのはかなりの痛手。この曲も代えの効かない存在なんですよね。
怪しげなイントロから始まってサビで疾走し、不穏さを醸し出しながら収束していく、非常にムードをつくれる曲。
楽曲単体でもいいし、何か大きな山場の橋渡し役としても機能しそうなので、これは欲しかった。

ぴっぴ氏が、「スーパーノヴァ」→「アカネ」→「ババロア」→「ムーンライト」と、(なんとなくですが)「地上→空」とか「過去→未来」とか「茜→月光」とか
時間経過や場所の移動を感じさせるような指名を続けていて、アルバムを映画のように捉えたチョイスだなあと思います。

S氏は、ホタルに続いて魚を獲得。想像上の生物ばかりか現実の昆虫や魚もくわえて、いよいよ「ノアの箱舟」的な一大パラダイスを形成し始める。
果ては「たまご」まで取っているが、雛を孵化させ永久機関としての天国をつくる気だろうか?と邪推は止まらない。
加えてその楽曲たちは、皆きらきらと輝いている。自軍と比較するとあまりに彼のチームはまばゆい。

11th Album『スーベニア』
収録曲
01. 春の歌
02. ありふれた人生
01. 甘ったれクリーチャー
04. 優しくなりたいな
05. ナンプラー日和
06. 正夢
07. ほのほ
08. ワタリ
09. 恋のはじまり
10. 自転車
11. テイタム・オニール
12. 会いに行くよ
13. みそか

■指名
むる猫BOY→ナンプラー日和
ぴっぴ→優しくなりたいな
S氏→ありふれた人生

私は沖縄民謡チックな「ナンプラー日和」、ぴっぴ氏は抒情的なピアノ・バラード「優しくなりたいな」、
S氏はオーケストラをバックに人間の普遍的感情を歌う「ありふれた人生」をそれぞれ仲良く獲得。
お互いにとって良い指名ができた回だと思います。

自分がぴっぴ氏なら、「ほのほ」でムードをつくりたいな、とか、S氏なら「甘ったれクリーチャー」で生きとし生けるものの国歌(あるいはアンチテーゼ)を挿入しようか、
とか考えてしまうかもしれませんが、もう皆自軍に相当頭を悩ませ、思い入れがたっぷりで他人が介在する余地なし。

「恋のはじまり」をここらで忍ばせたり、前述の「甘ったれ~」でロック度を強化させたり、とかも考えたけれど、
やはり当初のテーマである「奇妙 & Cool」に準ずることにしました。「ナンプラー日和」もまた、代えがたい挑戦的な一曲。
最後の"風に逆らって Woo 飛ばせ"後のギターコードの運びがどこか切なくて大好きです。

12th Album『さざなみCD』
収録曲
01. 僕のギター
02. 桃
03. 群青
04. Na・de・Na・de ボーイ
05. ルキンフォー
06. 不思議
07. 点と点
08. P
09. 魔法のコトバ
10. トビウオ
11. ネズミの進化
12. 漣
13. 砂漠の花

■指名
むる猫BOY→群青
ぴっぴ→桃
S氏→P

こんな頭のおかしい企画を続けていると、ここらで狂い始めることがわかりました。
10曲を超えると、なかなか統率できなくなってくるんですよね。自分なりのビジョンを拵え計算しながら参加者たちはやっているんだけど、
そろそろそのよくわからん謎の計算もショートしてくるというか。

そんな中で、「群青」「桃」「P」をそれぞれ指名。
のちに反省の弁も口にしてましたが、ぴっぴ氏の「桃」指名は意外でした。
「永遠という戯言に溺れて」というフレーズが何か機能するのかも、とは思いましたが。

S氏の「P」指名は、なんか腑に落ちたところがあります。何に腑に落ちているのかも分からないですが、それが発見というか楽しさというか。
私なら「P]は獣たちが目を開ける神の語りとして、一曲目に配置するのかも。

そういう自分は、ごちゃごちゃ言いつつ色々と怖くなってきていて、どこにでも使えそうだなとユーティリーティープレーヤーとして「群青」を指名。
はんだごてのように、曲と曲をうまいこと接続してくれそうと期待を込めて。

13th Album『とげまる』
発売日:2010/10/27
収録曲
01. ビギナー
02. 探検隊
03. シロクマ
04. 恋する凡人
05. つぐみ
06. 新月
07. 花の写真
08. 幻のドラゴン
09. TRABANT
10. 聞かせてよ
11. えにし
12. 若葉
13. どんどどん
14. 君は太陽

■指名
むる猫BOY→花の写真
ぴっぴ→聞かせてよ
S氏→探検隊

『とげまる』では、三人が必要なピースを埋めるような指名できれいに分れました。
「幻のドラゴン」「えにし」「どんどどん」魅力的なナンバーがたくさんあったんですけど、私は「花の写真」を指名しました。

ぴっぴ氏の指名した「聞かせてよ」は今まで自分があまり注目してこなかった楽曲なので、新鮮でした。
S氏の「探検隊」は、個人的にはこのアルバムで一番好きですね。指名してたら後半に入れたい。『とげまる』は盲点かも。

14th Album『小さな生き物』
発売日:2013/09/11
収録曲
01. 未来コオロギ
02. 小さな生き物
03. りありてぃ
04. ランプ
05. オパビニア
06. さらさら
07. 野生のポルカ
08. scat
09. エンドロールには早すぎる
10. 遠吠えシャッフル
11. スワン
12. 潮騒ちゃん
13. 僕はきっと旅に出る

■指名
むる猫BOY→エンドロールには早すぎる→scat
ぴっぴ→エンドロールには早すぎる
S氏→ランプ


もうええて!(爆)コロコロチキチキペッパーズナダル氏の声真似でそう叫んでしまいました。
私とぴっぴ氏、4回目の競合。もう私はぴっぴ氏が抽選用につくった鉛筆をチェックした挙句ぴっぴ氏に「今回はあなたが(えんぴつを)振ったら?」と言われた結果の敗戦なので、何も言うことはありません。
エンドロール欲しかったなー…。「scat」には悪いけど、その場しのぎ感がありました。(ちなみにscat自体は大好きです)

手帳になんとなく指名した楽曲たちを分類分けしながら進めていたんですけど、
私は「scat」は「ヘチマの花」「エトランゼ」と同分類にしました。というのも、この二曲は自分の中では、
ヘビーな楽曲が続いた後とかに少しアルバムの方向をずらすために必要な鍵のような役割があるんです。
例えば「ヘチマの花」の前は、ハードロック(長めの激しい曲。聞き手の体力を使うような曲)とか、「エトランゼ」は奇妙なロックの合間にポンっと入れよう、とか。
「scat」も鍵であることには変わりないんですけど、同時にエンジンのような機能も備わっているのでどうしようかなと

実際は、ドラフト会議中ここまで言語化して考えられているわけではないですが、感覚的にはこんな感じなんです。
まあ、順番についてはのちに考えよう、と思いました。

15th Album『醒めない』
発売日:2016/07/27
収録曲
01. 醒めない
02. みなと
03. 子グマ!子グマ!
04. コメット
05. ナサケモノ
06. グリーン
07. SJ
08. ハチの針
09. モニャモニャ
10. ガラク
11. ヒビスクス
12. ブチ
13. 雪風
14. こんにちは

■指名
むる猫BOY→ヒビスクス
ぴっぴ→グリーン→ガラク
S氏→グリーン

ここにきて、ぴっぴ氏とS氏がはじめての競合!
結果は、S氏が勝利し、「グリーン」を獲得。ぴっぴ氏は、「粟、稗、コーリャンと名もない草木を愛する草野さんしか書けないフレーズでお馴染み
「ガラクタ」をチョイス。ここでもぴっぴ氏は、「ヒビスクス」を狙っていたらしく、私はもうええて、となりました。

ちなみに、今回のドラフトでは『オーロラになれなかった人のために』はミニアルバムで選べる少ないため、
『おるたな』はカバー曲が多いため、対象から外しています。自分はそのルールを忘れて、「ラクガキ王国を手帳にメモしていました。
「ガラクタ」とのバディがぴったりな、暴れん坊のミニカーみたいな可愛い曲ですよね。

で、へんてこで、どちらかといえばミニマムなロックで全体を覆いつつ、聴かせどころはスケール感のある楽曲で一発で仕留めるというアルバムにしたかったので、
今回は大好きな「ハチの針」を獲りたい衝動を抑えて「ヒビスクス」を選びました。ピアノ・イントロも欲しかったです。
分類としては「8823」、獲らなかったけど「ロビンソン」とかも同じですね。「8823」・「ヒビスクス」、そしてもう一つのスター選手を次に獲る気でいます。

16th Album『見っけ』
発売日:2019/10/09
収録曲
01. 見っけ
02. 優しいあの子
03. ありがとさん
04. ラジオデイズ
05. 花と虫
06. ブービー
07. 快速
08. YM71D
09. はぐれ狼
10. まがった僕のしっぽ
11. 初夏の日
12. ヤマブキ

指名
むる猫BOY→まがった僕のしっぽ→初夏の日
ぴっぴ→まがった僕のしっぽ
S氏→YM71D

もうええて!!!!!!(再)
5回目の競合、もちろん(?)引き当てたのはぴっぴ氏。意味が分からない。確率でいえば3パーセントくらい?

「まがった僕のしっぽ」は特徴的なフルートのイントロから入り、ゆったりと広がるダイナミックなサビ…と思いきや、突如ゴリゴリのビートロックに変貌する驚きの構成で、初めて聞いたときたまげました。
このプログレな曲も「トンガリ95」のように、スピッツそのものを表している、そんな感じを受けます。
奇をてらっているようで、つくりこまれたサビの歌詞。突飛なようで、やはり丁寧なんですよね。ちょっと引用します。


 例えどんな形でも想像しなかった色でも
 この胸で受け止めたいし喚起で吼えてみたい 
 誤解で飛びかう石に 砕かれるかもしんないけど
 夜明けに撫でられる時の ぬくもりに浸りたい

 勝ち上がるためだけにマシュマロ我慢するような
 せまい籠の中から お花畑嗤うような
 そんなヤツにはなりたくない 優秀で清潔な地図に
 禁じ手の絵を描ききって 楽しげに果てたい


「~したい」で終わるねじれた願いの表現が、秀逸ですよね。これこそ私がスピッツを聴き続ける理由なんです。
前半・中盤・後半の目玉曲として「8823」「ヒビスクス」「まがった僕のしっぽ」を考えていました。だがしかし、現実は厳しい。大誤算。

そんな中、S氏はエロティカルで軽やかなスピッツAORYM71D」を単独指名。これも代えがたい存在で指名したくなる曲です。
私は、疲れたので『初夏の日』を選びました。
アコースティックギターが映える曲が一つ欲しかったんですよね。「ジュテーム?」「海を見に行こう」も楽曲的には欲しかったかな。


Special Album『花鳥風月+』
発売日:2021/09/15
収録曲
01. 流れ星
02. 愛のしるし
03. スピカ
04. 旅人
05. 俺のすべて
06. 猫になりたい
07. 心の底から
08. マーメイド
09. コスモス
10. 野生のチューリップ
11. 鳥になって
12. ヒバリのこころ
13. トゲトゲの木
14. 353号線のうた
15. 恋のうた
16. おっぱい
17. 死にもの狂いのカゲロウを見ていた

■指名
むる猫BOY→スピカ
ぴっぴ→コスモス→マーメイド
S氏→コスモス

豊かな彩りを極力排し、無機質でラディカルなスピッツ像を構築しようとやってきましたが
最後はぴっぴ・S氏チームのあでやかさにも惹かれて、一曲入れようと「スピカ」をいれました。

欲しかった「まがった僕のしっぽ」よりも、ある意味で真のスター・プレイヤーです。
ほとんど曲順を意識できずに指名を進めてきましたが、締めくくりはスピカになるのかなあと何となく思っていました。

そして、初めてのぴっぴ×S氏の競合!!!結果は、S氏が「コスモス」を獲得し、
煌びやかな世界に浮遊感と死の臭いをまぶしました。

ぴっぴ氏は、コスモスと似た曲を入れることは不可能と判断し、コスモスの対極に真逆に位置するお気楽な「マーメイド」をチョイス。痺れます。


17th Album『ひみつスタジオ』
発売日:2023/05/17
収録曲
01. i-O(修理のうた)
02. 跳べ
03. 大好物
04. 美しい鰭
05. さびしくなかった
06. オバケのロックバンド
07. 手鞠
08. 未来未来
09. 紫の夜を越えて
10. Sandie
11. ときめきpart1
12. 讃歌
13. めぐりめぐって

■指名
むる猫BOY→未来未来
ぴっぴ→紫の夜を越えて
S氏→Sandie

ぱんぱかぱ~ん!これにて終了しました。

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終演 0:00

開演が20:00だったので、4時間ぶっ続けで会議をやっていたことになります。
その間、私はハイボールを4杯飲み、ぴっぴ氏は煙草を5本吸い、S氏はラーメンをすすりました。
さて、ここから順番決めだ…と絶望していましたが、
なんとS氏はある程度順番を定めながら選んでいたらしく、既にほぼ出来上がっている状態。流石でした。


【むる猫Boyプレイリストのリンク】

open.spotify.com


【ぴっぴプレイリストのリンク】

open.spotify.com

【S氏プレイリストのリンク】

open.spotify.com


以上、お読みいただきありがとうございました~!
次はもう少し規模を縮小してやろうと思います。

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