周辺幻

沖の監視

2019-01-01から1年間の記事一覧

ある日

午前七時、起床。 仕事に行く。 帰途、海岸公園に車止め夕焼け見て沈黙。上司から電話来る。 夕食、入浴、済ませたのち、 本棚から本9冊抜き取りベッドに潜り込む。 本には手をつけず、スマートフォンでカリスマホスト・ローランドの名言集と、ダニエル・ラ…

ボーナスの使い道

他人に本をオススメされても、何故か触手が伸びない。けれども、自分で選ぶ本だけでは限度がある。ここのところ同じような作品を繰り返し眺めているような気がする。本屋に入店し、くらくらっとめまいがする。たくさんの本、本、本。本の山。自分のために書…

シチリア詩人の重要な一言

「あたし、大丈夫かな……」 「いつか 親ともお別れがくるんだもんね」 「オレも怖い……」 「うん」 「あたしたち、夜の子供たちだね」 (『泣き虫チエ子さん 旅情編』益田ミリ 大人になるということ)より シチリア詩人は「風が気持ちいいね」と言うはずだった…

キム兄のワラライフ!を観ずしてしずる村上純について言及するということ

ずっと気になってはいるけれど、買わない本、というのがある。 高所得者ではないので、まず価格の問題があがる。ハードカバーで1700円を超えると、躊躇いが生まれてくる。カフカやエリック・ホッファーの日記、サリンジャーの評伝。平気で5000円する…

緩慢な敗北

タイトルを「一時撤退」にしようかとも、悩みましたが、敗北で間違いありません。 だいたい、三年前くらいから、私は「好き」という感情に対抗しようとあがいてまいりました。 ?どういうこと。 説明します。 きっかけは、お気に入りのバンドの映像をYouTube…

チョーカー・ガール

チョーカー・ガールに質問される。 「さくらいさんは、何で地元に戻ってきたんですか」 少し迷って、答える。 「家のことで、かな」 「ああ、家のことなんですね」と、彼女は言った。 「おまえは何で東京を出たの」と、私も彼女に尋ねる。 彼女の首元の黒い…

チョコレート

穂村弘『にょにょっ記』を読む。 『にょにょっ記』の解説「偽ょ偽ょっ記」なるものを西加奈子が担当していて、その中でこんなことを書いていた。 この間も、チョコレートはガーナが一番美味しいんやで、と言うと、そうなの、と目を丸くしていた。 西加奈子は…

言い出しかねて

「孤独とはなんだろうか君」 「ひとりでいることだね」と彼は言った。 即座の返答に思わず納得しかけたが、いやいや彼の回答は間違っていると思った。けれども、だからといって、それを口にはしてはならない。相手の意見を否定して、関係が冷え込んでいくの…

雪玉

男の子2人と女の子1人が、雪玉を壁にぶつけて遊んでいる。 女「紫色に当てたら優勝」 男A「えー、きついって」 その壁はステンドグラスみたいにいろんな色が使われているのだ。子どもたちの身長の10倍くらい高い壁に、男Bはすぐさま丸めた雪玉を投げる。男…

暖冬の高速道路入り口で(交通マナーを守りましょう)

暖冬の高速道路入り口で 炬燵に蜜柑リモコンの電池 中産階級後部座席へささやかな加減乗除教育 三連休の最終便はサウナ後の水風呂後の白湯 しきたりに空の青さを持ち出して聖書の限りを尽くす警官 シートベルトしても外しても目的地絶対に変わらない 海へ